先天性心疾患患者は出産数の約1%であり、群馬県では毎年約150人(平成25年 群馬県出生数14,732人)の先天性心疾患患者が出生していることになります。近年の医療レベル向上に伴い、特に複雑心奇形の生存率が著しく向上し、これらの患者さんが成人に達し社会生活を営むケースが増えてきました。
これらの患者さんの受け皿として、群馬県立心臓血管センターと群馬県立小児医療センターが連携し、平成24年4月、群馬県初の成人先天性心疾患外来を立ち上げました。
地域の診療所や病院でフォローされている患者さんのうち、カテーテル治療の適応となるが未治療の患者さん(心房中隔欠損・動脈管開存症など)、小児期に手術を受けた後、再手術が必要な患者さん(ファロー四徴症など)、成人期に手術が必要となる可能性がある患者さん(修正大血管転位・エブスタイン奇形・先天性弁膜症など)、その他小児科で先天性心疾患をフォローされていて、成人の循環器内科に移行した患者さんなどの受け入れを行っています。
これらの患者さんに対し、定期的な検査や薬剤による治療を行う他、再手術や心疾患以外の手術が必要な場合、心臓の状態の管理を行います。再手術症例や複雑な症例では、当院スタッフの他、群馬県立小児医療センターの心臓血管外科・循環器科および当院のコメディカルスタッフを交えた合同カンファランスを行い、手術・治療方針を決定、実施しています。また当施設で対応困難な場合は、適切な専門医療機関への紹介も行います。
◆実績
当院の成人先天性心疾患外来受診者数(2015年12月現在)
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | |
外来患者延べ人数 | 27 | 75 | 113 | 125 |
当院の成人先天性心疾患患者疾患一覧(2015年12月現在)
心室中隔欠損症・心房中隔欠損症・動脈管開存症・房室中隔欠損症・ファロー四徴症・修正大血管転位症・肺動脈弁狭窄症
大血管転位症術後・ロス手術後・総動脈幹症術後・単心室(フォンタン手術後・グレン手術後・BTシャント術後)・両大血管右室起始症・純型肺動脈閉鎖術後・エブスタイン病・先天性弁膜症(大動脈弁二尖弁他)
成人先天性心疾患外来スタッフ