MICS(Minimamlly invasive Cardiac Surgery:低侵襲心臓手術)とは
MICS(低侵襲心臓手術)は、従来の心臓手術に比べ早期退院や早期社会復帰が可能で、当院ではこの治療を積極的に取り入れています。この手術では、胸骨正中切開は行わず、肋間からアプローチを行います。そのため、5〜8cmの小さな皮膚切開で行うことが可能です。特に女性では、乳房の下縁に切開線をおくことで、乳房の形を温存することが可能です。また、傷自体が乳房もしくは女性用下着の着用により隠れるため、美容的にも満足度の高い切開であると考えています。
特徴
- 疼痛が少ない
- 退院が早い
- 出血が少ない
- 感染、特に致死的合併症と言われる縦隔炎の心配がない
- 術後心房細動の発生率が少ない
と言われています。胸骨正中切開では、術後に2〜3ヶ月の激しい運動や自動車運転の制限を必要としますが、MICSではこれらの制限を必要としません。
適応疾患
僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症、心房中隔欠損症、左房粘液腫等に適応可能です。しかしこれらの疾患のすべての方が適応にはならず、合併症や同時手術の有無により適切な手技を選択しています。詳しくは担当医にご相談ください.
従来の開心術に置けるアプローチ
胸骨正中切開(皮切20~25cm)
![胸骨正中石灰の例](https://www.cvc.pref.gunma.jp/cms2020/wp-content/uploads/2020/01/MICS01.jpg)
MICSのアプローチ(男性)
右肋間小開胸(皮切5~8cm,右大胸筋下縁)
![低侵襲心臓手術の開胸例](https://www.cvc.pref.gunma.jp/cms2020/wp-content/uploads/2020/01/MICS03.jpg)
MICSのアプローチ(女性)
右肋間小開胸(皮切5~8cm,右乳房下縁)
![低侵襲心臓手術の開胸例](https://www.cvc.pref.gunma.jp/cms2020/wp-content/uploads/2020/01/MICS6.jpg)