ごあいさつ
群馬県立心臓血管センターは、昭和15年、県立教員保養所として開設され、以後、県立前橋病院、県立循環器病センター、県立心臓血管センターと改称し、現在に至っています。
循環器及び心臓血管の治療に関しては、心臓カテーテル室4室、心臓血管外科手術室2室、ハイブリッド手術室1室、総合リハビリ棟、ぐんまリハビリパークなどの施設を活用し、虚血性心疾患、不整脈、心不全、大動脈疾患、心臓リハビリテーションなど循環器領域全般における高度専門医療を提供しています。
特に不整脈治療においては、心房細動などに対するカテーテルアブレーションで全国有数の症例数を誇り、また感染リード抜去、リードレスペースメーカ、左心耳閉鎖デバイスなども行っています。さらに、植込型補助人工心臓の植え込み、胸部や腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)など、循環器内科と心臓血管外科が協同して行う治療に対しても、積極的に取り組んでいます。
また心疾患への対応は、24時間救急医療体制下での急性期治療はもちろん、心臓リハビリテーションによる慢性期患者の再発防止や、冠危険因子を有する方へのヘルスアップ教室による初発予防などにも、積極的に取り組んでいます。
当センターには、循環器病棟に加え、消化器外科や整形外科の病棟があり、循環器疾患を合併する消化器疾患や整形外科疾患の患者さんに対しても最良の医療提供を目指しています。
レジデント制度では、専門医臨床研修制度における基幹病院との連携も行っています。また、卒後5年以降のドクターを対象に、シニアレジデントとしての2~3年の専門教育を行っており、多くのレジデントが全国から集い、診療や学会活動に励んでいます。
当センターが心疾患の急性期治療から再発防止、初発予防まで行っていくためには、かかりつけ医との緊密な連携が不可欠です。そのため、今後も地域医療支援病院として定期的に症例検討会や講演会等を開催し、登録医及び登録医療機関との病診・病病連携を一層強化していきます。
群馬県立心臓血管センターは、「患者本位の医療」の基本理念のもと、患者さんの立場に立ち、安全かつ確実に高度専門医療を提供していく所存です。
群馬県立心臓血管センター院長 内藤 滋人