骨密度検査

骨密度検査

Bone density test

骨粗鬆症は、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。
そのため、定期的な骨密度検査の受診が、骨粗鬆症の早期発見につながります。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、骨量の減少と骨質の劣化により、骨密度が低下する骨疾患です。骨密度が低下すると、健康な人に比べて骨折のリスクが増大します。

骨密度低下の原因には、閉経後のエストロゲンの急激な低下による骨量の減少や、加齢に伴う骨形成能の低下などがあります。また、特定の疾患や病態、薬物が原因となることもあります。

骨密度検査とは

骨密度検査は、骨に含まれるカルシウム等がどの程度あるかを測定する検査です。これにより、骨粗鬆症や関節リウマチ、ホルモン分泌異常の診断が可能です。また、これらの症状の経過観察や治療効果の判定にも利用されています。

骨密度検査の方法は複数ありますが、当院ではDXA法を用いています。DXA法は、異なる波長のX線を用いて人体をスキャンし、人体組織のX線の吸収率の差から骨密度を測る検査法です。超音波検査よりも高い精度で測定が可能です。

骨粗鬆症の方が骨折をしやすい箇所は、椎体や大腿骨頚部などです。
骨粗鬆症のガイドラインでは、腰椎および大腿骨近部位の2部位の測定が推奨されています。また、大腿骨付近、全大腿骨付近、頚部の骨密度のうち、より低い値を用いて診断することを勧めています。
当院では、このガイドラインに則り、骨密度検査を行っています。

検査の流れ

所要時間はおよそ10~15分程度です。
検査前の食事制限はありません。
測定部位に金属やプラスチック類がある場合、測定結果に影響することがあります。その場合、検査着に着替えていただきます。
装置の上に仰向けに寝てもらい、測定が終了するまで動かずお待ちください。
動いてしまうと測定結果に影響しますので、ご注意ください。

検査結果の例

測定終了後には、医師向けと患者様向けに測定結果表を作成します。
測定結果表からは、患者様本人の骨密度と、同年代や若年成人の骨密度を比較して、自分の骨密度がどの程度の数値なのかがわかります。
若年成人の平均値(YAM:Young Adult Mean)との比較は骨粗鬆症の診断に用いられます。
YAM値が80%以上で正常、70~80%では骨量減少、70%以下は骨粗鬆症と診断されます。
自分自身の骨の状態を知り、食事・運動など生活改善をすることで、骨折の予防を図ることができます。
当院では、多職種が連携した骨粗鬆症サポートチームが、皆様の骨を守っていきます。

骨密度検査の結果表

当院で使用する骨密度検査の装置は、放射線被ばく量が胸部レントゲンの10分の1程度であり、非常に少ない線量で検査を行うことができます。
検査に際し、ご不明な点がございましたら、担当技師までご相談ください。