当院整形外科の骨粗鬆症チームが国際骨粗鬆症財団(IOF)から銀賞の評価を受けました

 骨折リエゾンサービス(Fracture Liaison Service, FLS)は、二次骨折予防において最も費用対効果に優れることが研究で明らかになっています。この骨折コーディネーターを中心とした体系的な手法によって、骨折を減少させ医療費を削減し、患者様の生活の質(QOL)を改善することができます。国際骨粗鬆症財団(IOF)はFLSを世界的に推進するために13項目の評価の枠組み(ベストプラクティスフレームワーク:BPF)を作成し、登録施設を評価し、どのレベルまで達成されているか、また今後どのようにグレードアップできるかアドバイスをする取り組みを行っています。BPFは国際的な承認制度で、この分野の専門家によって検証が行われた二次骨折予防のためのガイドラインとなります。
 当院整形外科では7年前より多職種連携による二次骨折予防の取り組みとして「心血OLSプロジェクト」を実践しています。整形外科医で日本骨粗鬆症学会認定医である私と、学会認定骨粗鬆症マネージャー14名(異動等で現在は8名)を中心に、計20名の多職種が連携して入院骨折患者様の骨粗鬆症治療にあたっています。OLSとは日本独自のものでOsteoporosis Liaison Serviceの略です。FLSは骨折した患者様のみを対象としますが、OLSは骨折する前の患者様の骨粗鬆症対策(一次骨折予防)も含まれてきます。
 この度、当院はIOFからFLSに関する国際的な評価を受け銀賞を受賞することができました。北関東の病院では初の認定施設となります。世界では2022年4月5日現在、50か国・720施設が登録され、日本での認定施設の内訳は、金賞9施設、銀賞23施設、銅賞11施設となっています。今後もFLSを患者様の骨粗鬆症診療に生かし、県内の骨粗鬆症を少しでも減らせるよう努力して参りますので、ご協力の程よろしくお願い致します。今回の銀賞受賞は、7年前のFLS開始当初からメンバーは変わってきたものの、引き続きチームに貢献してくれている方々の努力の賜物です。この場をお借りし感謝の意を表します。

整形外科部長・心血OLSプロジェクトチームリーダー 
鈴木 秀喜