県内で初めて経皮的僧帽弁接合不全修復術(マイトラクリップ)を実施しました

心疾患分野において高度専門医療を提供する群馬県立心臓血管センターでは、僧帽弁閉鎖不全症患者のうち開胸手術が難しい方の治療において、次のとおり県内初となる経皮的僧帽弁接合不全修復術(マイトラクリップ)を実施しました。

1 実施概要

  1. 実施日  令和3年9月29日(水)
  2. 患者 60歳代 (県内在住)
  3. 現状 術後の経過が順調なため、10月5日(火)に退院しました。

2 経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip マイトラクリップ)とは

  1. 僧帽弁閉鎖不全症は、僧帽弁が完全に閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。重症になると息切れやむくみなどの症状が出現し、命に関わることがあります。
    ※僧帽弁とは、心臓の左心房と左心室の間にあり、血流を一方向に維持する弁のこと。
  2. 重度の場合は通常、外科手術(僧帽弁置換術・弁形成術)を行いますが、人工心肺で一度心臓を止めるため、ご高齢の方や心臓手術の経験がある方などは危険性が高く手術が困難でした。
  3. MitraClip(マイトラクリップ)は、外科手術に向いていない患者さんに対応できる新しいカテーテル治療法です。全身麻酔で大腿部(足の付け根)の静脈よりカテーテルを挿入し、心臓の中を通って左心房に到達させ、カテーテル先端に装着したクリップで僧帽弁が閉じない部分を挟み、血液の逆流を減らします。

3 今後の予定


僧帽弁閉鎖不全症の患者さんのうち、医師による評価の結果、適応対象と判断できる方に対して実施し、本年度中に15例~20例を予定しています。