放射線Q&A

Q1.,放射線とは何でしょうか?

物質と作用して、直接あるいは間接的に電離を引き起こす性質を持つ電磁波や粒子線のことを指します。
我々の身の回りの環境にも、放射線はごく当たり前に存在しています。宇宙からやってくる宇宙線は代表的なもののひとつです。そのほか、土壌や鉱物、建材などにも、放射線を発する物質が含まれていたりします。
日本人よりも自然放射線を多く受けている人は世界中に存在します。こうした人たちを調査した結果、がんの発症や子供の遺伝性疾患のリスクについて、大きな差はないとの報告がされています。

Q2.,検診やドックで毎年、レントゲン撮影を受けても大丈夫でしょうか? 

胸部レントゲン撮影の一回あたりの入射表面線量は約0.3mGyです。
放射線による人体の影響には、確定的影響と確率的影響があります。しかし、この程度の被ばく線量では、いずれの影響も生じることはありません。
検査の種類にもよりますが、身体(妊婦を除く)に影響があらわれる検査回数は、胸部撮影で約5000回、腹部撮影で約1000回程度です。(※CT検査は部位によって線量が大きく変化します。そのため、別途ご質問ください。)
検診やドックにおいては、病気の早期発見や早期治療により得られる利益の方が、放射線による影響よりもはるかに大きいです。また、病院で治療を受けている方も、検査での病態把握を通じ、大きな利益を得られていると言えます。よって、放射線検査が必要な場合、回数や頻度をあまり心配せずに受診することをお勧めします。

Q3.,放射線を受けると白血病やがんになりやすいって本当でしょうか?

放射線の影響が統計的に調べられるようになり、放射線による発がんリスクや白血病などの危険性が、ある程度把握されるようになりました。ただしこれらのデータは、線量が比較的多い場合(胸部撮影かつ1000回以上)をもとにしており、レントゲン検査のように線量が少ない場合については、未だ意見が分かれるところです。
そもそも、放射線ががんの原因となるのは、放射線が人体を通過する際に細胞内の染色体を傷つけてしまうような場合です。しかし、人間には回復能力があるため、損傷した細胞は通常再生されます。よって、そのすべてが発がんするとは限りません。

Q4.,子供や高齢者など家族が付き添いで撮影時に一緒にいても平気でしょうか?

患者さんの容態や検査内容によっては、ご家族の方に検査の介助を行っていただく場合があります。こうした場合でも、X線は患者様の撮影部位に限定して照射されます。そのため、介助の方が直接X線を被ばくすることはありません。また介助者には、不必要な放射線を防ぐプロテクターを着用していただきます。このことからも、被ばくの心配はほとんどないと言えます。

Q5.,放射線の検査で一回あたりどのくらい被ばくするのでしょうか?

公益社団法人日本診療放射線技師会では、医療被ばく線量の低減目標値(ガイドライン)を設け、被ばくの低減化に努めています。当センターでは、入射表面線量がこのガイドラインに適合するよう、線量を決めて撮影しています。このガイドライン内の被ばく線量であれば、放射線による影響がでることはまずありません。
一般撮影の場合は、以下のようになっています。

「医療被ばくガイドライン」で定める線量

撮影部位(撮影方向)ガイドライン(mGy)撮影部位ガイドライン(mGy)
頭部(正面/側面)3/2足関節0.3
頚椎(正側面)0.9前腕部0.2
胸椎(正面/側面)4/8手指部0.1
胸部(正面/側面)0.3/0.8小児胸部(0~5才)0.2
腹部(正面)3小児腹部(0才)0.3
腰椎(正面/側面)5/15小児腹部(3才)0.5
骨盤(正面)3小児腹部(5才)0.7
股関節(正面)4乳幼児股関節0.2
大腿部2乳房撮影平均乳腺線量 2
膝関節0.5乳房撮影入射表面線量 10

「医療被ばくガイドライン(診断参考レベル DRLs2015の公表を受けて)」
引用元:http://www.jart.jp/activity/hibaku_guideline.html#plink2

カテーテル治療(PCIやアブレーション)は、検査と異なり透視時間が数時間に及ぶ場合があります。治療にあたっては適切な線量に調整していますが、透視時間が長くなれば、脱毛や皮膚の発赤などの皮膚障害が発現する可能性があります。
皮膚障害が生じた場合、検査後すぐに状況をお伝えし、経過観察を行います。しかし、これらの障害が出たとしても、カテーテル治療は患者さんの利益が大きいため、必要不可欠な被ばくであるとも考えられます。

核医学検査(RI検査)

核医学検査とは

核医学検査は、X線撮影、CT、超音波、MRIのような画像診断の一つです。
放射線を放出する放射性同位元素(アイソトープ)を含んだ薬を体に投与し、目的とする臓器や病変部に集まった薬から放出される微量の放射線を専用のカメラで撮り、臓器の機能を調べます。疾病の診断、病期や予後の確認、治療効果の判定などに有用な情報として提供されます。また、心臓の検査だけでなく、肺や甲状腺、腎臓・骨・腫瘍等にも幅広く検査を行っています。

検査に用いる放射性同位元素は体内で速やかに消失します。そのため、被ばくによる身体への影響は非常に少なく済みます。
なお、PET検査においては、循環器領域(心臓・大動脈など)に限って検査を行っています。

また核医学検査室では、放射線技師だけでなく、核医学専門医、放射線診断医、循環器内科医、薬剤師、看護師などがチーム一丸となって、核医学検査を実施しています。これにより、安全かつ高精度な技術を提供できるよう心がけています。

装置紹介

核医学検査の装置
Symbia Pro Specta Q3

マンモグラフィ

マンモグラフィ検査とは

乳房のエックス線検査のことを指します。乳房を上下や斜めに薄く圧迫しながら撮影を行います。小さな病変を写し出すことが可能なため、病変を早期に見つけ出す検査として有効です。また、マンモグラフィ検査は女性放射線技師が行っております。

マンモグラフィ検査装置

2018年1月に現在の乳房撮影装置を導入しました。直接変換方式によるデジタル処理を行っているため、高画質な画像を提供することができます。
また、乳房の自然な輪郭に沿って、乳房全体を均一に圧迫する特性を持つため、圧迫による痛みを軽減し放射線被ばくも抑えることができます。

マンモグラフィ検査画像

マンモグラフィ検査では、乳腺は白く描出され、乳腺の多い高濃度乳房の方ほどその白さは強い傾向にあります。一方、乳腺腫瘤(病変)も白く映るため、本来発見しなければいけない腫瘤(病変)が隠れてしまう可能性があります。そのため、マンモグラフィ検査を受けた方で高濃度乳房(デンスブレスト)であった場合は、マンモグラフィ検査とエコー検査の併用をお勧めしております。

X線テレビ検査

X線テレビ検査とは

X線テレビ検査は、食べ物や飲み物を飲みこむ様子について、造影剤(バリウム)を使用しながら動画で撮影します。これにより、胃や大腸の検査を行ったり、誤嚥の原因を詳しく調べたりする(嚥下造影検査)ことができます。

胃の検査では、胃を発泡剤で大きく膨らませ、胃の中にバリウムを付着させます。胃の隅々までバリウムを付着させるために、さまざまな姿勢で撮影を行います。検査はすべてデジタル化されており、鮮明な画像を提供しています。

X線テレビ検査結果1
胃バリウム検査画像
X線テレビ検査結果2
嚥下造影画像

CT検査

CT検査とは

CT検査は、X線照射によって身体の内部を画像化する検査で、「単純撮影」と造影剤を使用した「造影撮影」、2種類の検査方法があります。
造影剤を使用することにより、血管の走行や臓器の形状が明瞭に見えるようになります。

撮影した画像をもとに、病気の診断や治療計画の立案、治療効果の判定を行います。また、3D計測を行うことにより、狭心症、大動脈瘤、大動脈解離、大動脈弁狭窄症、不整脈等の手術計画の立案や、手術前シミュレーションなどにも使用されます。

当院での検査について

当院では、Aquilion ONE (320列×0.5mm、160㎜エリア・ディテクタCT)というCT検査機器を導入しています。160㎜以内の臓器であれば、全体をわずか0.275秒で撮影することが可能です。特に心臓のCT検査では、不整脈の影響を最小限に抑えることができます。また、従来の装置に比べ、撮影時間の短縮や造影剤の低減、被ばく線量の低減も実現しています。
検査について、不安な点やご不明点などございましたら、検査技師に遠慮なくお声かけ下さい。

大動脈瘤術前
大動脈瘤術後
大腸CT

栄養調理課

食事は、健康の回復に重要な役割を果たしています。
そのため栄養調理課では、適切な栄養管理と安全でおいしい食事の提供に向け、日々励んでおります。
また当院では、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士からなる栄養サポートチーム(NST)を平成22年度から発足させています。様々な職種が連携し、個々の患者様の病状に応じて、きめ細やかな栄養サポートを提供しています。

栄養調理課の役割

入院食の提供

  1. 常食、分粥食、流動食のほか、患者様の状態に応じて、減塩食、糖尿病食、透析食、低残渣食、胃潰瘍食、消化器術後食、嚥下食など、最適な食事を提供します。
  2. 院内での食事提供時間は朝食:朝8時、昼食:12時、夕食:18時となっています。

当院の入院食の特長

  1. 心臓血管専門病院として、患者様の症状に応じ塩分量を調整しています。また減塩治療が必要な方には、塩分量を6グラム未満に調整しています。
  2. 新鮮な食材や旬の食材を選び、薄味でおいしく食べていただけるように調理しています。
  3. 野菜を使った料理を多くし、一般的な家庭料理のメニューを心がけています。
  4. 常食を召し上がっている患者様には、週3回の選択食を実施しています。
  5. 温かいものは温かく、冷たいものは冷たく食べていただけるよう、温冷配膳車を使用しています。

減塩食の一例

うす味でも美味しく味わえる工夫を加えて、減塩食を提供しています。

さけ丼

市販の塩鮭ではなく、生鮭をうす塩で漬けることで、塩分を抑えます。

あっさり煮

薄切り肉を使用し、また短時間で仕上げることで、調味料の塩分を吸いすぎないようにします。

とり肉味噌マヨネーズ

マヨネーズは比較的塩分量が少ない調味料です。また、味噌と一緒に使用すると和食にも合う味付けになります。

しょうが酢和え

酢醤油としょうがの風味で、塩分が少なくてもおいしく食べられます。

行事食の提供

当院では、年間に13種類の行事食を提供しています。
また提供の際は、行事食の由来などを記したメッセージカードを添えています。

  • こどもの日(柏餅、魚の塩焼き)
  • 土用の丑の日(うなぎの蒲焼き)
  • お盆(おはぎ、うどん、かき揚げ)
  • 敬老の日(赤飯)
  • 秋の味覚(栗ご飯、秋刀魚の塩焼き)
  • 文化の日(ちらし寿司、紅葉麩吸物)
  • クリスマス(鶏肉料理、ケーキ)
  • 年越しそば(そば、かき揚げ)
  • お正月(祝い膳)
  • 節分(いわし、けんちん汁、福豆)
  • ひな祭り(ちらし寿司、はまぐりのお吸物)
栄養調理課による季節食イメージ1
ひな祭り

ちらし寿司、はまぐりのお吸い物

クリスマス

鶏肉料理、ケーキ

栄養食事指導

入院中の方や、外来や心臓リハビリを受診されている方に対して、栄養や食事についての助言や指導を提供しています。
パンフレットやフードモデルを利用し、わかりやすい説明を心がけています。
食事について知りたいことがある方、食事の自己管理を始めたい方は、担当医を通じてお申し込みください。なお、事前予約制です。

栄養調理課の様子
栄養指導室の風景
栄養調理課の様子2
フードモデル

減塩教室

減塩が必要な疾患のある方を対象に、月1回、3パターンの「減塩教室」を実施しています。
ご希望の方は、担当医を通じてお申し込みください。

減塩教室調味料編
① 調味料編

味噌の量が異なる味噌汁を飲み比べ、調味料の塩分について学びます。

減塩教室うまみ編
② うまみ編

だしの異なる味噌汁を飲み比べて、だしのうまみについて体験します。

減塩教室料理教室編
③ 料理教室編

病院食調理のプロがおいしい薄味料理のコツを伝授します。

減塩調理メニュー例

薄味でも美味しい、さばの味噌煮、白菜の浅漬け、大根のそぼろ煮が完成しました。

栄養調理課のその他の取組

  1. ヘルスアップ教室及び糖尿病教室での集団栄養指導
  2. 人間ドック及び特定保健指導での個別栄養相談

放射線課

放射線課の業務内容

放射線課では、高度医療体制を支える技術部門として、放射線検査に関する専門技術を提供しています。
様々な診断装置を用いることにより、安全かつ適切な検査の提供に努めています。

主な放射線検査

一般撮影

人体にX線を照射し、各臓器のX線吸収差により、肺や骨などの状態を観察します。一般的にレントゲンと呼ばれているものです。当院では、最新のDR(デジタルラジオグラフィ)装置を使用しています。このため、低い放射線量で撮影を行うことが可能です。
また重症の患者さんには、ポータブル撮影装置を用いて、病棟などで撮影することもできます。緊急時でもその場でレントゲン撮影の画像を確認でき、速やかな診断が可能です。

レントゲン装置のイメージ

DR装置

ポータブル撮影装置

マンモグラフィ

乳房の病変を早期に見つけ出す検査として有効です。当院では、女性の放射線技師が検査を担当しております。

CT検査(コンピューター断層撮影)

X線照射によって身体の内部を画像化する検査です。

MRI検査(磁気共鳴画像法)

磁石の力によって体に電波を当てることで、体内の様々な組織を画像化する検査です。

RI検査(核医学検査)

微量の放射性物質を含んだ薬を体に投与し、薬から放出される微量の放射線をカメラで捉え、臓器を調べます。

X線テレビ検査

食べ物や飲み物を飲みこむ様子について、造影剤(バリウム)を使用しながら動画で撮影します。

超音波検査

超音波の力学的振動を使用して、体内の状態を画像化します。

血管撮影検査

カテーテルを用いて血管に造影剤を注入し、X線で連続撮影を行うことにより、血管の状態を診断します。

骨密度検査

骨に含まれるカルシウム等がどの程度あるかを測定する検査です。

放射線検査についてのQ&A

放射線検査にまつわる質問とその答えをまとめました。

臨床工学課

業務内容

臨床工学課は、患者本位の医療の提供に向け、医療機器の操作や保守点検、教育を行なっています。

心臓カテーテル室業務

臨床工学課のイメージ

心臓や血管に細い管(カテーテル)を挿入し、治療や検査を行います。臨床工学技士は、治療や検査が安全に実施できるよう、心電図や血圧を監視・記録し、患者さんの状態変化に注意を払っています。
また、診断に欠かすことのできない血管内超音波検査(IVUS)や光干渉断層法(OCT)、プレッシャーワイヤーの操作を行っています。治療中に患者さんの状態が急変した場合、大動脈内バルーンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助(PCPS)の操作を行います。

不整脈業務

心筋焼灼術(アブレーション)や心臓電気生理検査(EPS)を実施する際に、心臓内に入れた電極カテーテルから記録される心内心電図を記録・解析します。
また、3次元マッピング装置や高周波発生装置、心臓刺激装置の操作を行い、アブレーション治療が安全かつスムーズに実施されるよう業務に取り組んでいます。

植え込みデバイス業務

ICD業務

植え込みデバイスとはペースメーカや植え込み型除細動器(ICD)、両室ペーシング機能付き除細動器(CRT-D)などを指します。臨床工学技士はこれらのデバイスの植込み手術から、術後の病棟チェック、外来でのフォローアップ(バッテリー残量やリード線の状態、不整脈の履歴等の確認)を行います。
また、遠隔モニタリングシステムのデータ確認も実施しています。より早くデバイスの異常や不整脈の発生に対応できるよう、取り組んでいます。

手術室業務

手術室における臨床工学技士の役割

手術室では、主に心臓血管外科手術において、人工心肺装置や自己血回収装置の操作を行っています。また、ペースメーカーやICDを装着されている方が外科手術を受ける際は、機器の設定や作動状況を確認し、安全な手術の実施に向けて取り組んでいます。

補助循環業務

補助循環装置は機能が低下した心臓を助ける装置です。大動脈内バルーンパンピング(IABP)や経皮的心肺補助装置(PCPS)、補助人工心臓(VAD)などのがあります。臨床工学技士は、これらの装置の装着から集中治療室での管理、離脱に至るまで、一貫した管理を行っています。また、植込み型補助人工心臓を植え込んだ方は、在宅での管理が必要となります。そこで、装置についての教育や指導、在宅環境の調査、外来フォローを行っています。

血液浄化療法業務

血液透析業務のイメージ

血液浄化療法で最も多いのが血液透析です。維持透析を受けており、かつ心臓の治療が必要な方に対して、入院中の血液透析を実施しています。また、心臓治療を受け一時的に腎機能が低下した方には、持続的血液透析濾過(CRRT)を実施します。他にも、エンドトキシン吸着などのアフェレーシスも実施しています。

医療機器管理業務

臨床工学課による医療機器管理

輸液ポンプやシリンジポンプ、人工呼吸器など多くの医療機器を中央管理しています。また、機器の安全かつ効率的な使用に向け、機器の購入・廃棄計画も策定しています。

病院スタッフに対する医療機器教育

医療機器の正しい知識習得に向け、院内スタッフを対象とした研修会を実施しています。また、臨床工学課内でも新しいデバイスの研修会や症例検討会などを実施しています。

学生臨床実習の受け入れ

臨床工学技士免許取得を目指す学生の臨床実習を受け入れています。
認定臨床実習指導者を中心に、効果的な指導ができるようスタッフで取り組んでいます。

学会認定資格

  1. 人工心臓管理技術認定士:5名
  2. 体外循環技術認定士:7名
  3. ペースメーカ/ICD関連情報担当者(CDR):2名
  4. 不整脈関連専門臨床工学技士:6名
  5. 3学会合同呼吸療法認定士:5名
  6. 透析技術認定士:1名
  7. 臨床ME専門認定士:1名
  8. 周術期管理チーム臨床工学技士:1名
  9. 心血管インターベンション認定技師(ITE):1名
  10. 認定臨床実習指導者:1名

臨床工学課へご用のある方へ

業務の都合上、直ちに対応することが難しい場合が多くございます。そのため、ご用のある方はあらかじめアポイントの取得をお願いします。急用の場合は、外線から院内PHSで呼び出して下さい。

体外循環症例データベース事業について

患者様およびご家族の皆様へ

 当院は、一般社団法人日本体外循環技術医学会(以下、JaSECT)が中心となり実施する「対外循環症例データベース事業」に参加しています。本事業は、体外循環(人工心肺)のデータを全国規模で集積し、統計処理するものです。
 当院では、この取組に参加することで、人工心肺を用いた治療を受ける患者様の安全を追求したいと考えています。また、全国的な体外循環技術の水準向上に寄与し、ひいては当院の患者様への利益還元を図りたいと考えています。
 患者様とそのご家族におかれましては、データの提供についてご理解とご協力を賜れますと幸いです。

実施責任者:臨床工学課技師長 安野 誠

本事業への参加について

本事業への参加は、患者様の自由な意思に基づくものです。参加されたくない場合は、拒否する自由を保証いたします。
また、参加の拒否により、診療等で患者様が不利益を被ることは一切ございません。

データ登録の目的

全国の病院から採取された体外循環実施データは、JaSECTに登録されます。この情報をJaSECTが解析し、体外循環医療の質改善に向けた検討が行われます。
この検討結果は、より良い体外循環のあり方を示すための基礎資料となります。全国の医療機関が閲覧できるため、体外循環を用いた手術の普及に活用でできます。
当院では本データを活用し、当院の特徴や課題を国内の標準成績と比較・分析します。そしてこの分析を通じ、安全な医療の提供に向けた改善を実施してまいります。

登録されるデータの内容

JaSECTに登録されるデータは、国内で行われた手術や治療における体外循環の方法などです。
これらの情報は、患者様個人を容易に特定できるものではありません。ただし、患者様にかかわる重要な情報ですので、厳重に管理いたします。
また、データの取扱にあたっては、関連法令(個人情報保護法等)や倫理指針などを遵守します。

登録されたデータの使われ方

JaSECTの登録データは、全国の参加施設に対し、統計データとして還元されます。これにより、参加施設の体外循環技術の向上などに役立てられます。
なお情報公開にあたっては、JaSECTガイドライン策定委員会で承認された情報だけが対象となります。患者様個人を特定可能な情報は一切公開されません。

※ご自身の登録データをご覧になりたい場合は、実施責任者の安野までご連絡ください。
※学会からのご案内は、JaSECTガイドライン策定委員会https://www.jasect.jp/でもご覧いただけます。

臨床検査課

業務内容

臨床検査課は、人体から採取した血液・便・尿・喀痰・その他の体液や、内視鏡や手術で採取した組織等の検査を行っています。
これらを多角的に調べることで、病気の診断や病態把握、治療効果の判定などを正確かつ迅速に実施し、高度専門医療の一翼を担っています。

外来採血

外来患者や入院予定患者、ドック・健診受診者の採血を行っています。
また、尿・便・喀痰の検査も行っています。

血液検査

血液中の赤血球、白血球、血小板の数やヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などを測定する血球数算定検査を行っています。また、顕微鏡で血球の細胞形態を分類する末梢血液像検査も行います。
これらの検査は、貧血や白血病、感染症、出血傾向などの病態把握に役立ちます。

凝固・線溶検査

出血を止めるために血液を凝固させる作用(凝固系)と、凝固系により固まった血栓を溶かす作用(線溶系)の異常の有無を調べます。プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、フィブリノゲン、Dダイマー、AT3などを測定しています。

尿・一般検査

尿定性検査では、尿中の糖、蛋白、潜血など10項目の検査を行っています。尿中に含まれる赤血球、白血球、上皮細胞などの成分を顕微鏡で観察し、腎疾患や糖尿病の病態把握に役立てています。
また、便検査では、消化管からの出血を見るために、便の潜血反応を行っています。

生化学検査

血液中に含まれる生化学成分を測定します。肝機能や腎機能に関する病気の診断、経過観察、治療効果の判定に有用な検査です。

免疫検査

肝炎ウィルス感染などの有無や、心不全の指標であるBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、心筋梗塞の早期診断に有用なトロポニン、甲状腺ホルモンなどを測定します。

輸血検査

血液型や不規則抗体の検査、交差適合試験など輸血に関わる検査を行います。
また、輸血に必要な血液製剤の保管管理も行っています。製剤の保管管理にあたっては、輸血療法委員会を組成し、血液製剤使用手順書の整備、血液製剤適正使用の推進、輸血副作用の調査など、輸血療法全般の管理を行っています。

細菌検査

痰や膿から、感染症の原因となる菌を検出する検査を行います。また、検出された菌について、有効な抗菌薬を調べます。
さらに、院内感染対策として、院内での菌の流行を監視し、レポートを作成しています。また、感染制御のための病棟ラウンドに参加しています。

病理検査

日本病理学会認定の病理専門医が病理診断を行っています。病理組織診検査では、手術や内視鏡検査で採取された臓器の一部(組織)からプレパラート標本を作製し、顕微鏡で構造や細胞を観察して診断を行います。細胞診検査では、喀痰・尿などの排泄物、胸水などの体腔液中の細胞を塗抹標本とし、顕微鏡で観察してがん細胞の有無を判定します。
検体採取時に痛みが伴わないため、がんの早期発見に有用な検査です。

学会認定資格

認定輸血検査技師1名
認定臨床微生物検査技師1名
感染制御認定臨床微生物検査技師1名
認定病理検査技師1名
細胞検査士2名
国際細胞検査士1名
緊急臨床検査士1名
二級臨床検査士(甲類)生化学1名
二級臨床検査士(甲類)血液学1名
二級臨床検査士(甲類)免疫血清学1名
二級臨床検査士(甲類)微生物学1名
二級臨床検査士(甲類)病理学1名
糖尿病療養指導士1名

施設認定

  1. 日本臨床衛生検査技師会 精度保証施設 第18-0014号
  2. 群馬県臨床検査値標準化基幹施設
  3. 日本輸血・細胞治療学会 輸血機能評価(I&A)認証施設 第1093号
  4. 日本病理学会 研修登録施設 第3118号

学生臨地実習の受入れ

臨床検査技師免許取得を目指す学生の臨地実習を受入れています。
生体検査を中心に、実践に即した効果的な実習が行われるように努めています。

感染対策室

感染対策指針

院内における感染症の感染防止や拡大防止を図るためには、その原因の速やかな特定や、制圧または終息に向けた感染対策の実施が必要です。

また、感染対策は医療の安全対策および患者サービスの質を保つためにも必要です。そこで、病院内感染対策に関する基本的な考え方を示し、全ての職員に対して組織的な対応と教育を行うとともに、指針に則った医療が提供できるよう、指針を作成しました。
「群馬県立心臓血管センター感染対策指針」(PDF)

メンバー

感染対策室メンバー
職種役割資格人数
医師感染対策室長
感染対策委員会 委員長
(ICT・AST専任)
ICD(感染制御医師)1名
医師感染対策委員会 副委員長
(ICT・AST専任)
1名
看護師感染対策担当看護師
(ICT・AST専従)
ICN(感染管理認定看護師)1名
薬剤師(ICT専任)1名
薬剤師(AST専任)1名
臨床検査技師(ICT・AST専任)1名
※ICT(Infection Control Team):感染制御チーム
※AST(Antimicrobial Stewardship Team):抗菌薬適正使用支援チーム

主な活動

1.,感染対策委員会(ICC:Infection Control Committee)

病院内感染対策に関する病院全体の問題点を把握し、改善策を講じるため、組織横断的な委員会を組成しています。

構成メンバー

院長、医療安全管理室長、事務局長、看護部長、健康指導局長、麻酔科・救急救命部長、薬剤部長、技術部長、検査課長、栄養調理課長、医事課長、総務課長、経営課長、GRM(ゼネラルリスクマネージャー)、洗浄・消毒・滅菌部門の長(手術室看護師長)、感染制御医師(ICD)、感染管理認定看護師(ICN)、感染制御担当薬剤師、感染制御担当検査技師、その他

役割

  1. 医療関連感染に関する現状把握
  2. 感染対策に関する意思決定
  3. 感染対策チーム(ICT・AST)へのサポート
  4. 教育研修
  5. 感染症発生時の対応

2.,感染対策チーム(ICT・AST)

感染対策委員会の下部組織として、感染対策を推進する実働チームです。

構成メンバー

感染制御医師(ICD)、感染管理認定看護師(ICN)、ICT担当薬剤師、AST担当薬剤師、ICT・AST担当検査技師、内科系医師、外科系医師、健康指導局医師、看護師(手術室看護師長、3階南、4階東、4階南、5階南、ICU、手術室、外来)、放射線課、リハビリ課、栄養調理課、臨床工学課、経営課、総務課、医事課、その他

役割

1.,サーベイランス
  • 起因菌検出状況の把握
  • 中心静脈カテーテル関連血流感染:CLABSI
  • 尿道留置カテーテル関連尿路感染:CAUTI
  • 手術部位感染:SSI 
  • 抗菌薬使用状況 などの確認・調査
2.,ICT・ASTラウンド
  • 週1回のサーベイランス病院内ラウンド
  • 環境チェック ※必要時、細菌学的環境調査の実施
3.,耐性菌発生状況と抗生剤使用状況の月間報告
4.,感染対策マニュアルの作成・改訂
5.,抗菌薬マニュアルの作成・改訂
6.,抗菌薬適正使用支援
7.,職員教育、研修(講演会、学会、講習会参加)
8.,職員健康管理、医療従事者の職業感染の把握とその対策
9.,インフルエンザや新興・再興感染症に対しての対策・準備
10.,JANIS(厚生労働省院内感染対策サーベイランス)への報告
11.,広報活動(病院内への情報提供、感染対策ニュースの発行)
12.,委託業者(清掃業者、リネン業者等)への伝達、指導、協議
13.,感染防止対策に関する複数の県内施設との連携
  • 県内施設とのカンファレンスを年4回以上開催
  • 県内施設間で相互評価を年1回以上実施
  • 県内の高齢者施設への訪問指導等実施
14.,感染症発生時の対応
  • 感染防止対策の策定・実施
  • 院内各部門への指導、相談対応、各種調整など