国際骨粗鬆症財団の評価とは
骨折リエゾンサービス(Fracture Liaison Service, FLS)は、骨折コーディネーターを中心に様々な医療職が連携し、骨折患者に対する転倒予防の取組をリハビリテーションの視点から実践するものです。
FLSは、二次骨折予防において最も費用対効果に優れることが研究で明らかになっています。骨折コーディネーターを中心とした体系的手法によって、患者様の骨折リスク減少、医療費削減、生活の質(QOL)の改善を図ることができます。
国際骨粗鬆症財団(IOF)は、FLSを世界的に推進するために13項目の評価の枠組み(ベストプラクティスフレームワーク:BPF)を作成しています。これは、登録施設を評価し、どのレベルまで達成されているか、また今後どのようにグレードアップできるかアドバイスをするものです。BPFは国際的な承認制度で、この分野の専門家によって検証が行われた二次骨折予防のためのガイドラインとなります。
当院の骨折予防の取組
当院整形外科では、2015年から多職種連携による二次骨折予防の取組として「心血OLSプロジェクト」を実践しています。日本骨粗鬆症学会認定医である整形外科部長と、学会認定骨粗鬆症マネージャー14名(異動等で現在は8名)を中心に、計20名の多職種が連携し、入院患者様の骨粗鬆症治療にあたっています。
なおOLSとは、日本独自の概念でOsteoporosis Liaison Serviceの略です。FLSは骨折した患者様のみを対象としますが、OLSは骨折する前の骨粗鬆症対策(一次骨折予防)も含まれてきます。
整形外科部長からのメッセージ
このたび当院は、国際骨粗鬆症財団からFLSに関する国際的な評価を受け、銀賞を受賞することができました。北関東の病院では初の認定施設となります。世界では2022年4月5日現在、50か国・720施設が登録され、日本での認定施設の内訳は、金賞9施設、銀賞23施設、銅賞11施設となっています。
今後もFLSを患者様の骨粗鬆症診療に生かし、県内の骨粗鬆症を少しでも減らせるよう努力して参ります。今回の銀賞受賞は、7年前のFLS開始当初からメンバーは変わってきたものの、引き続きチームに貢献してくれている方々の努力の賜物です。この場をお借りし感謝の意を表します。
整形外科部長・心血OLSプロジェクトチームリーダー
鈴木 秀喜