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植込み型除細動器(ICD)および両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)植込み後の運転免許について

ICD(植込み型除細動器)やCRT-D(両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器)は、命に関わる心室細動や心室頻拍の発生時に、速やかに治療を行うものです。心室頻拍や心室細動が起こらないようにするものではありません。
したがって、自動車の運転中に、ICDやCRT-Dが作動するような心室頻拍や心室細動を発症した場合、一時的に意識を失い、自動車事故につながってしまうおそれがあります。

ICD/CRT-D植込みをうけられた方へ

道路交通法では、自動車運転に支障を及ぼすおそれがある疾患をお持ちの患者さんに対し、自動車運転免許の制限が定められています。

  1. ICD/CRT-D植込み後の患者様は、植込みを受けた時点で自動車運転原則禁止となります。
  2. 運転の許可および自動車運転免許の維持には、「ICD/CRT合同研修セミナー」を履修した医師による診断書を、各都道府県の公安委員会・警察署へ提出する必要があります。また、運転の可否は、最終的に公安委員会および警察当局の判断となります。
    1. 初回植込み時
      国家公安委員会で定める診断書の様式を患者様で入手いただき、病院へ提出してください。医師の記載が済んだ診断書を公安委員会へ提出してください。
    2. ICDが作動した時
      運転制限の有無について医師が診断を行います。医師から運転制限のお話を受けた場合、公安委員会に診断書の提出をお願いします。
  3. 運転可能と判断された場合でも、6ヶ月ごとの再審査の診断書提出が必要です。
  4. 普通自動車免許で運転可能な自動車に限り、運転が可能です。
  5. ICD/CRT-D患者様の職業運転は認められていません

問い合わせ先:安全運転相談ダイヤル #8080 (シャープ ハレバレ)

ICD/CRT-D植込み患者様の運転制限期間

日本不整脈心電学会・日本循環器学会・日本胸部外科学会の合同検討委員会が定める運用指針では、植込み後の自動車運転の制限期間について、以下の表のとおり、示されています。
なお、植込みが一時予防と二次予防、どちらに相当するかで制限が異なります。不明な場合は、担当医に確認をお願いします。

一次予防:意識消失の既往がない方への予防的な植込み
二次予防:心室頻拍や心室細動などに伴う意識消失の既往がある方への植込み

自動車運転免許制限期間
新規植え込み(一次予防)7日
新規植え込み(二次予防)6ヶ月
ICD適切作動3ヶ月
ICD不適切作動意識障害を伴わない場合制限なし
ICD本体交換7日
リード交換7日

注1)ICDの「適切作動」「不適切作動」とは

治療が必要な心室性不整脈に対するICDの作動が「適切作動」です。電気ショックを伴う除細動作動や、自覚症状を伴わない抗頻拍ペーシングなどが該当します。一方、致死性心室性以外の不整脈に対してICDが作動した場合は「不適切作動」です。不適切作動の場合、意識消失がなければ作動には含まれず、運転制限が課されません。しかし、不適切作動であっても意識消失をきたす場合、適切作動と同様の運転制限が課されます。

注2)ペースメーカー植込み後の運転免許

ペースメーカー(両心室ペーシング(CRT-P)を含む)植込み患者様の運転は「原則許可」となります。そのため、植込み後の意識消失やペーシングの不具合がなければ、通常どおり運転可能です。また、診断書の提出も必要ありません。

参考資料

  1. 日本循環器学会『不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)』
  2. 日本不整脈心電学会・日本循環器学会・日本胸部外科学会『不整脈に起因する失神例の運転免許取得に関する診断書作成と適性検査施行の合同検討委員会ステートメント』
  3. 道路交通法(第103条)
  4. 道路交通法施行令(第33条、第38条)