心臓リハビリの観点では、「体調が安定していて、気温などの環境ストレスが少ない時間帯」を選ぶのが基本です。また、多くの方には、「早朝を避けて日中から夕方(目安として午前遅め〜夕方)」に運動してみることをおすすめします。
早朝の運動を避けたい理由は、起床後は血圧や脈拍が上がりやすく、また交感神経が優位になって心臓や血管に負担がかかりやすい時間帯だからです。心筋梗塞や脳卒中などの心血管イベントは朝に多いことが知られています。そのため、持病のある方ほど「朝いちばんの無理」は避けた方が安全です。
さらに、冬場は寒さで血圧が上がりやすく、また夏場は脱水が起きやすいなど、環境の影響も重なります。夏の場合、日中の暑い時間を避け、気温が下がってくる夕方などに行うのがよいです。冬の場合は、冷え込みの強い早朝を避け、日が出て気温が上がってから行う方が安全です。
糖尿病がある方は、食後1〜2時間後の軽〜中等度の運動(食後のウォーキングなど)で食後高血糖を抑えやすいです。ただし、インスリン注射やSU薬など低血糖を起こしやすい薬を使っている場合は、運動前後の血糖確認や補食の準備が必要になることがあります。主治医・指導スタッフの方針に合わせてください。
最後に、時間帯以上に大切なのは、「続けられる時間に、無理のない強さで」行うことです。息切れ・胸の痛み・強い動悸・めまいなどが出たら中止し、改善しない場合は受診してください。
参考文献
- 日本循環器学会/日本心臓リハビリテーション学会.心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(JCS/JACR 2021).Circulation Journal.2022;87(1):155-235.
- 日本高血圧学会.高血圧診療ガイドライン2025(JSH2025).
- 日本糖尿病学会.糖尿病診療ガイドライン2019.Diabetology International.2020;11:165-223.
- 日本糖尿病学会.2型糖尿病薬物療法アルゴリズムに関するコンセンサスステートメント(J Diabetes Investigation 掲載,2023年).
- Muller JE, Stone PH, Turi ZG, et al. Circadian variation in the frequency of onset of acute myocardial infarction. N Engl J Med. 1985;313(21):1315-1322.