放射線課

単純撮影検査

 人体にX線を照射し、各臓器のX線吸収差により、肺や骨などの状態を見ることができる写真が撮れます。一般に皆さんがレントゲンと呼ぶもので、造影剤や特殊な器具を用いないものをいいます。
 入院している重症の患者さんには回診用X線撮影装置(ポータブル撮影装置)を用いて病棟で撮影するため、負担も軽減できます。
 また、当院ではX線の透過度により骨塩量を測定する骨密度測定も行っています。骨幅の比から骨密度を求めます。当院の装置は腕の橈骨で測定するので測定時間が短く、患者さんの負担も少なく骨粗鬆症等の診断を行えます。女性の方は、男性の方より年齢と共に低下しやすいので定期的な検査をお薦めします。

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ポータブル撮影装置
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骨塩量測定装置

デジタルX線テレビシステム

 バリウムを飲んで、胃の検査等をする装置として知られている機械です。
 イメージ・インテンシファイヤーと呼ばれるX線を可視光に変える装置により、TVモニターを通して観察しながら撮影できる装置です。
 X線TV装置は主に造影検査に用いられることが多く、消化器系の検査に適しています。当院のX線TVは最新鋭のデジタル化された装置を、平成17年3月より使用しています。

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デジタルX線TV
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上部消化管画像
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下部消化管画像

腹部超音波検査(Echo、US)

 超音波の反射とドップラーを用いて輪切り像と血流の速さ等を得ることができます。また、体外から超音波を用いる検査であるため、患者さんに苦痛を与えず、X線による被曝もなく、かつ一回の検査で広範囲の臓器の観察が可能です。腹部だけなく、乳房や甲状腺、頸動脈等の診断にも用いられ、スクリーニングから精密検査まで幅広く、緊急検査にも対応できる検査です。

腹部Echo
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肝臓のエコーです。組織が明瞭に見えます。
カラードップラー法
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赤いところが上に向かって血流が流れ、
青いところが下に向かって流れています。

CT検査(コンピュータ断層撮影)

 X線発生装置を回転しながら撮影し、360°方向の撮影データをコンピュータ解析することで、人体の輪切り画像を得て形態的な診断を行う検査です。当院のCTは、最新型のマルチスライスCTと呼ばれる装置で、短時間で広範囲な検査ができるのが特徴です。また、造影剤を使用することによって、循環器系の疾患を的確に診断できます。さらに、輪切り像を処理して得られる三次元画像で、客観的に病状を診ることができます。下の三次元画像は、マルチスライスCTで撮影した画像を元に作成した画像です。動脈瘤等の血管系疾患や、不整脈等の心疾患の治療にたいへん役立つ検査といえます。

CT検査図

MRI検査(磁気共鳴画像撮影)

 磁場とラジオ波を利用し、人体の水素原子の動きを測定し、コンピュータ解析により人体の輪切り像を得る検査なので、X線による被曝は一切ありません。CTと兄弟のような検査ですが、CTに比べ検査時間が長いですが、形態・生化学情報、任意の断面、血流情報などが知ることができます。それによって造影剤を用いなくても、かなりの太さの血管まで抽出できます。
 大きな電子レンジの中に入るようなものなので、金属などでやけど等することが極めてまれにありますので検査時には細心の注意を払いますが、個人でも気をつけるようにしてください。

CTのように横断像だけではなく任意の断面を得ることができる。

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冠状断
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矢状断
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MRアンギオ(脳)

Angio(血管造影、電気生理学的検査及びその治療)

 カテーテルと呼ばれる細い管をもちいて、選択的に血管内に造影剤を注入し、連続的にX線撮影を行い、血管の形態や血行動態を観察する血管造影検査です。また、電極の付いたカテーテルで、伝導機能や不整脈発生部を検査する電気生理学的検査を行っています。
 また、心筋梗塞や狭心症などの治療(PCI(経皮的冠動脈インターベンション))や心筋を焼き、不整脈を無くす経皮的心筋焼灼術(ABL(アブレーション))などの治療を行っています。
 当院のカテーテル検査室では平成15年5月から4台の血管造影装置が可動し、最新のフラットパネルという検出器を搭載した血管造影装置2台と、2個の検出器を装備したバイプレーンの血管造影装置2台で、検査を行っています。

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バイプレーンの検査の様子
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心臓の冠状動脈の風船治療した場合

RI(シンチグラフィ)

 RI(核医学検査)は、放射性同位元素を利用する検査です。その多くは静脈注射で体内に放射性同位元素を入れて、臓器の動きを撮影します。また、コンピュータ処理によって断層画像を得ることもできます。検査に用いる放射性同位元素は有効期限が非常に短いため、身体への被曝量は少なくてすみます。検査目的により体内に注入する放射性同位元素が異なり、体内の集積の違いにより画像となります。

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心臓の筋肉(心筋)の血流状態をコンピュータ処理により断層画像にしたものです。
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骨シンチ
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腫瘍・炎症シンチ

Question & Answer (質問コーナー)

Q1.放射線とは、いったい何?

A1.物質と作用して、直接あるいは間接に電離を引き起こす性質がある電磁波や粒子線のことを指します。その種類として、X線、γ線を電磁放射線といい、α線、電子線、中性子線などを粒子放射線といいます。また、我々の身の回りにも放射線は存在し、これには宇宙からやってくる宇宙線、大地や住居家屋の建材などに含まれる物質からも自然放射線が放射されています。

Q2.放射線は有害と聞きましたが毎年胸部検診をうけているけど大丈夫?

A2.一回の胸部撮影での入射表面線量は約0.2mGyです。放射線による人体の影響には確定的影響と確率的影響がありますが、この程度の被ばく線量ではいずれもなんらかの影響がでることはありません。
ちなみに上記の0.2mGyという線量ですが皮膚が初期紅斑する線量が2Gyですから10000回撮影しないと影響は現れません。

Q3.一年にレントゲン撮影を何回までして大丈夫?

A3.Q2.に関連する質問になりますが、放射線の影響が統計的に調べられるようになって、放射線による発がん、白血病などの危険性についてのデータが、ある程度解ってきました。ただし、これは線量が比較的多い場合についてのデータをもとにしたもので、レントゲン検査のように線量が少ない場合については、未だ意見が分かれるところです。検診においては、病気の早期発見および早期治療により得られる利益、病気で医療機関を受診されている方は、病態の把握、経過観察という利益がはるかに大きいので、必要な検査は回数を心配せずに受けられることをお勧めします。

Q4.放射線を受けると白血病やがんになりやすいって本当?

A4.白血病は骨髄の造血細胞の異常増殖であると考えられ、したがって造血臓器である赤色骨髄が被ばくしなければ白血病の発生の心配はありません。通常のX線検査では、白血病が発生するような線量を受けることはないので白血病になる可能性はほとんどありません。がんについても大量の放射線をうけるとがんになる確率が高くなりますが、それが放射線による影響と明らかにわかる放射線の量が、診断で用いられることはありません。

Q5.家族の付き添いで撮影時に一緒にいても平気?

A5.X線検査を受ける患者さんのため、場合によって家族の方等に介助についていただく場合がありますが、このときX線は、患者さんの撮影部位に限定して照射されるため、介助者が直接X線を被ばくすることはありません。また、介助者には、不必要な放射線を防ぐプロテクターなどを着用してしてもらうので、被ばくの心配はほとんどありません。

(詳細は、放射線科医および放射線技師にお尋ねください。)