臨床検査課

 臨床検査課は,2階で検体検査を担当しています。検体とは,人体から採取した血液・便・尿・喀痰・その他の体液や,内視鏡や手術で採取した組織等を総称した言葉です。これらの検体を多角的に調べることで,病気の診断や病態把握,治療効果の判定などに不可欠な多くの情報を提供しています。

 

スタッフ・資格

臨床検査技師(実務研修生,非常勤職員を含む) 6名
      (三菱化学メディエンス) 3名
 認定輸血検査技師 1名
 認定臨床微生物検査技師 1名
 感染制御認定臨床微生物検査技師 1名
 細胞検査士 2名
 国際細胞検査士 2名
 緊急臨床検査士 1名
 二級臨床検査士(甲類)生化学 1名
 二級臨床検査士(甲類)微生物 1名
 二級臨床検査士(甲類)病理 1名
看護師 1名
病理医 1名

外部委託業務について

 当センターでは,診療の主要部門として質の高い検査技術と情報を提供しながら,採算性と効率性に重点を置き,検体検査業務の一部を三菱化学メディエンス株式会社と共同運営形式の業務委託を行っております(平成19年4月1日より)。

検査項目説明

 当院で配布している主な検査項目の説明書です。(PDF形式 71 KB)

検査項目説明

採血コーナー

 採血室は2階検査室内に設置されています。臨床検査技師1名,看護師1~2名体制で1日100~200名の患者様からの採血を業務としております。採血のほか,尿検査・便検査・喀痰検査の受付も行っております。

photo
(採血コーナー)

血液・凝固検査

 血液検査には血球算定,血液像,血液凝固・線溶検査や精密検査として骨髄像検査などがあります。血小板の機能を見る血小板凝集能検査や血液の粘度(血液サラサラ)を調べる検査も行っております。

    • ●血球算定(血算):血液は細胞成分溶液の部分(血漿)からなっていて,その細胞成分は赤血球,白血球,血小板の3種類です。この3種類の細胞数とヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値などをこの2台の分析装置で測定します。1台(右下)は時間外夜間対応兼バックアップ用です。
photo
血球算定装置XT-1800
photo
時間外対応血球算定装置XS-1000i
    • ●血液像:血液を一滴スライドガラスに落とし薄く延ばして染色し,顕微鏡で血液中の白血球,赤血球,血小板などの細胞形態を観察することを血液像検査といいます。成熟白血球は,好中球,好酸球,好塩基球,単球,リンパ球などに分類され,その比率を調べます。これらの血球に量的・質的異常が生じると,貧血,免疫能低下,出血傾向などの症状が認められます。まれに未熟な細胞や白血病細胞も出現します。
photo
顕微鏡2台・ディスカッション顕微鏡1台
photo
血液凝固分析装置:Coagrex-800
    • ●凝固検査:外傷により出血が起こると,生理的な反応として血栓(止血栓)がつくられ,止血します。この止血機能は血管内皮,血小板,血漿成分(凝固・線溶因子)などの共同作業で行われます。一方,血栓形成や血液凝固が過剰に進行すると,血液循環が障害されて生体に不都合なため,血栓形成の促進と抑制が幾重にも絡み合うように調節されています,これらのどこかに欠陥があると止血異常や血栓症を生じます。この働きを検査する血液凝固・線溶検査は,手術前の必須検査項目であり,また血栓症の治療に使う抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用されている患者さんでは,お薬の効果をみるために必要な検査です。
photo
血小板凝集能検査 PA-20
photo
真空吸引式流体粘度計
  • ●血小板凝集能検査: 血小板の働きを調べる検査です。血液が止まるためには,まず血小板が損傷した血管壁に粘着し,いろいろな物質(ADP・エピネフリンなど)を放出し,血小板を凝集させます。その過程のどこかに障害があれば,血小板は正常に凝集しません。この検査は血小板に凝集を起こさせる試薬を加え,血小板の凝集の状態を調べます。脳虚血疾患の治療などに用いられる抗血小板薬(アスピリン,バファリン,ジピリダモールなど)のモニターにも使われます。
  • ●血液粘度検査:血液のサラサラ度を調べる検査です。真空ガラス吸引管と注射針を利用して,通常よりも少量(血液粘度は7ml,血漿粘度はさらに7ml)の採血量で簡便・迅速・正確に測定ができる分析装置です。

尿・一般検査

尿を用いた検査として,糖や蛋白,潜血をはじめ10項目の検査を行っています。また,尿を遠心して得られた沈さを顕微鏡で見ることで,腎臓の病気などが発見されます。便検査としては,消化管からの出血をみるために,便の潜血反応を行っています。

photo
クリニテック500

生化学・免疫検査

 血液中に含まれるたんぱく質,酵素活性,電解質などの様々な物質を測定し,病気の診断,経過や治療効果の判定に有用な検査です。血液の状態にもよりますが,測定時間は採血から45分程度です。当センターでは中型の分析装置を2台備え,効率化と機器のトラブル時にも処理能力を確保できる体制をとっています。

photo
生化学分析装置H-7180:2号機
photo
生化学分析装置H-7180:1号機
    • ●写真左下は,糖尿病の診断とコントロールに欠かせない血糖値とグリコヘモグロビン(A1c)を測定する装置です。2台を連結することで効率よく短時間での測定が可能になりました。写真右下は,感染症と甲状腺機能を調べる分析装置です。酵素免疫化学発光法を用いて,非常に微量な物質を精度よく測定できます。
photo
血糖測定装置:GA-1170
A1c測定装置:HA-7180
photo
酵素免疫化学発光測定装置:Lumipulse f
    • ●心疾患マーカー:心負荷や心不全のマーカーとして重要なBNPや心筋梗塞の早期診断に有用なトロポニンIを測定する分析装置です(写真左下)。化学発光を用いて微量物質の測定が可能です。
photo
酵素免疫化学発光測定装置:PATH FARST
photo
アンモニア測定装置:DRI-100N

輸血検査

 輸血部門では,輸血に必要な血液製剤の発注・保管,各種検査,照射,払い出しまでの一連の業務をすべて一括して行っています(一元管理)。
 また,輸血療法委員会事務局として,輸血療法委員会の運営,輸血手順書の整備,血液製剤適正使用のチェック,適正な手術血液準備量の算出,輸血副作用の把握など,輸血療法全般の管理を行っています。

輸血部門で行っている検査内容は・・・

  • ①ABO血液型・Rh血液型検査:輸血に必要な,最も基本的な検査です。血液型は判定を誤ると大きな医療事故につながります。判定ミスを防ぐため,一本の血液検体について,二人の臨床検査技師がそれぞれ検査し,二重チェックをかけて確認,報告しています。
  • ②不規則抗体検査:過去に輸血や妊娠したことのある人では,自分自身が持っていない血液型抗原に対する抗体(免疫)が作られていることがあり,これを不規則抗体と呼んでいます。輸血に先立ち,この不規則抗体検査をすることで,副作用のないより安全な輸血ができます。
  • ③交差適合試験:輸血前に,輸血血液との相性をみる検査を実施しています。
  • ④その他,直接抗グロブリン試験,抗体解離試験等を実施しています。
photo
輸血検査コーナー
photo
血液照射装置

細菌検査

細菌検査室ってなに?

 細菌検査室では,患者様のたん,尿,膿(うみ),血液などを調べて,炎症や発熱のような病気(感染症)を引き起こしているバイキン(細菌)を探し出す仕事をしています。
 また,見つけ出した細菌を退治するために,どんなお薬(抗生剤)がよく効くのか調べています。本年度は,抗生剤の検査のために,新たな機器の導入が決まっており,より有効な薬剤投与計画が立てられるようになる予定です。

院内感染対策への取り組み

 主に病院内でうつされた微生物によって引き起こされる感染症を院内感染といいます。
 院内感染が起こると,予定の入院期間を長引かせ,なにより患者様につらい忍耐を強いることになります。しかし,残念なことに,院内感染を完全に防止する方法が見つかっていないのが現状です。細菌検査室は,院内感染の拡大について,いち早く情報収集できる部署のひとつです。そこで,院内で検出される細菌の種類や数の動向を定期的に感染対策委員会に報告するとともに,感染に関する異常事態をできるだけ早期に検知できるよう,細菌検出状況を監視しています。
 また,院内感染の現状をリアルタイムで把握し,拡大を防止することを目的として,院内感染の危険性が高い患者様を定期的に訪問する活動にも参加しています。

photo
細菌検査室 安全キャビネット
photo
自動血液培養検査装置:BACTEC9050

病理検査

*** 現在作成中 ***

臨床検査課のとり組み

早出勤務の効果
早出勤務の効果
早出勤務の効果
  • ①2005年から検査技師2名体制で,早朝7時30分からの検体回収と検査の実施する「早出勤務」を開始しました。
  • ②検体の到着時刻別の検体数を示しています。赤が病棟検体,青が外来検体です。
    早出勤務導入前は8:30に入院検体と外来検体が集中していましたが早出勤務導入後は検体の到着が分散しました。
  • ③検査結果の報告が完了した時刻を示します。当センターでは外来診療前検査を実施しているため,外来検査を優先しております。そのため早出勤務導入前には外来検査と入院検査が集中する時間帯では外来検査が優先されるため,病棟検査が遅れていました。しかし,早出勤務の導入により業務が分散し,外来検査開始前に病棟検査がほぼ終了するようになりました。
    このことで,医師は外来診療を始める前に入院患者様の検査結果を確認でき,処置や指示が早く行えるようになりました。

おわりに

 自分の健康は,常に自分で注意し続ける事が大事です。微妙な体の変化に注意し,何か症状が続くようでしたら,放っておかないで,最寄りの医療機関に受診してください。また自分の検査データは,健康ノート等を作って保存しておくようにしてください。